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2025.12.01

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今月の注目天文イベントは「ふたご座流星群」です!ふたご座流星群とは、毎年12月中旬頃にふたご座付近を放射点として見ごろとなる流星群のことです。今年の極大は14日の17時頃とされています。
ふたご座流星群は、しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群と並ぶ年間三大流星群の一つとして知られ、毎年多くの流星が流れるためとても見ごたえのある流星群です。
暗い場所では、良いときだと1時間に50個以上の流星が見られるとされています。街明かりのある場所でも、1時間に10個程度の流星を観測できる可能性があるほど流星数が多いのが特徴です。そのため、今までほとんど流星を見たことがない方にとっても観測に挑戦しやすい流星群です!
ふたご座流星群の母天体はフェートン(ファエトンとも呼ばれる)と呼ばれる小惑星と考えられています。フェートンは1983年に発見された小惑星であり、その公転軌道と地球の公転軌道の交わる場所がふたご座流星群の発生時期と一致するため、ふたご座流星群の母天体であるとされています。
流星群の母天体について、詳しくは星空TOPIC☆2025年5月をご覧ください!
彗星が放出する塵によって流星が発生するため、多くの流星群の母天体は彗星であり、小惑星であるフェートンももともと彗星だったものと考えられていました。しかし、小惑星が多くの塵を放出することができるとの研究結果もあり、ふたご座流星群の起源については今も研究が進められています。
2028年度打上げ予定の新宇宙探査技術実証機DESTINY+では、フェートンの探査を行うことでふたご座流星群の起源の謎に迫る計画があるそうです!起源の謎の解明に一歩近付くことができるかどうか、とても楽しみですね。

極大日の前後はとても良い条件で流星の観測ができそうです。極大日である14日の夜は、月齢が約24という下弦の月よりも少し細い月が深夜2時頃に昇りはじめます。そのため、極大日の前後は月明かりに邪魔されることなく多くの流星が見られそうです!
流星の放射点はふたご座付近にあります。極大日前後はふたご座付近に木星が輝いているため、放射点の位置がわかりやすいです。
しかし、流星群を観測するときはふたご座付近だけでなく、広い空を眺めると良いでしょう。防寒対策をして、地面に寝転がって観測するのもおすすめです。
ぜひ、ふたご座流星群の観測に挑戦して、流れ星にお願い事をしてみてくださいね!
次にご紹介するのは「冬のダイヤモンド」です!冬のダイヤモンドとは、冬の空に見られる代表的な星座の一等星を結んでできる図形のことです。
春の大曲線や春の大三角、夏の大三角、秋の四辺形など、それぞれの季節の夜空には、目立つ星を結んで作られる図形があります。これらの図形は、街明かりの多い都会の空でも見つけることができる機会があるほど、目立った星でわかりやすい図形が形作られています。
冬の夜空には明るい星や有名な星座が多く、それぞれの一等星を結ぶと「冬の大三角」と「冬のダイヤモンド」が夜空に浮かび上がります。
冬の大三角や冬のダイヤモンドを形成する、冬の夜空で代表的な星座を順にご紹介していきます。
まず、見つけやすい形でとても有名な星座といえば、オリオン座です。砂時計のような形と三ツ星が特徴的なオリオン座は、ギリシャ神話に登場する狩人オリオンをモチーフとしています。オリオン座の右肩で橙色に輝くのは一等星のベテルギウス、足の位置で青白く輝くのは一等星のリゲルです。
次に、オリオン座の三ツ星を下に辿っていくと、おおいぬ座があります。おおいぬ座で輝く一等星シリウスは、全天で太陽の次に明るく見える恒星です。
ギリシャ神話において、おおいぬ座とともにオリオンに連れられていたとされるのがこいぬ座です。こいぬ座には一等星のプロキオンがあり、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウスとともに線で結ぶと正三角形が作られます。これが「冬の大三角」です。

続いて、二つの星が仲良く並んだふたご座を紹介します。ふたご座は、ギリシャ神話に登場する双子のカストルとポルックスが寄り添うような形をしています。ふたご座の一等星は橙色をしたポルックスで、双子の兄弟の弟にあたります。兄のカストルはポルックスの隣に並ぶ二等星です。
双子の星を上に辿ると、明るい星が一つあります。ぎょしゃ座の一等星カペラです。御者(ぎょしゃ)とは、馬車の運転手のことです。一等星のカペラには、雌の子ヤギという意味があり、古代バビロニア時代においてぎょしゃ座は「ヤギを肩に抱いた老人」の姿を表すとされてきました。
最後にご紹介するのは、おうし座です。おうし座はギリシャ神話で神・ゼウスが牛の姿に変身したことがもとになっている星座です。一等星は橙色に輝くアルデバランで、牡牛の目にあたります。また、おうし座の肩のあたりには肉眼でも観測できるプレアデス星団があることで有名です。
ここまでご紹介したそれぞれの星座の一等星を順に結んでいきます。オリオン座のリゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバランという順に結ぶと、大きな六角形が浮かび上がります。これが「冬のダイヤモンド」です。

冬の澄んだ夜空に輝く大きなダイヤモンドは、明るい一等星で構成されるためとても見つけやすく、街明かりの多い都会の空でも見ることができるでしょう。今の時期は21時以降、東の空に大きく広がり、時間の経過とともに空高くに昇っていきます。
ぜひ、冬のダイヤモンドを辿って星空鑑賞をお楽しみください!
本年も星空TOPICSをご愛読いただきまして、誠にありがとうございました!
2026年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、また次回の星空TOPICSでお会いしましょう!
参考:「ふたご座流星群」国立天文台(https://www.nao.ac.jp/astro/basic/geminid.html)
「新宇宙探査技術実証機DESTINY+」JAXA(https://destiny.isas.jaxa.jp/)
色のついた日にちをクリックすると、イベント内容がご覧いただけます。
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