Vixen の科学情報誌 So-TEN-Ken(ソウテンケン) WEB版

星座たちのドラマ(神話)#3
「はくちょう座」

夜空を見上げて、まず目に入る星や星座の名前がすぐ言えるようになりたい。...そんな思いをかなえます。
それぞれの季節の代表的な星座とその神話を紹介するシリーズ。
今回は白鳥に化けたゼウスのお話です。

画像:はくちょう座

夏の夜空、天高く昇る夏の大三角。...からの、はくちょう座

画像:アルビレオ

<アルビレオ>
撮影 : ©中西アキオ(2009.6.1)

夏の夜に、東→天頂→西と大きく空を横断する夏の大三角。三角形を作るのは3つの1等星、こと座ベガ(0.03等)、わし座アルタイル(0.76等)、はくちょう座デネブ(1.25等)で、まずこの三角形を見つけることが夏の星座探しの第一歩となります。
3つのうち一番暗いのがデネブで、白鳥の尻尾にあたります。1等星の中では地球から最も遠くにあるので、やや暗く見えます。
またはくちょう座は明るく目立つ4つの星が十字の形に並んでいるので、南十字星に対して北十字星とも呼ばれています。
その4つの星のうち、白鳥のくちばしにあたるアルビレオ二重星で、小さめの天体望遠鏡でも2つの星があることがわかります。1つはオレンジ、もう1つは青。色のコントラストがとてもきれいなので、この夏、天体望遠鏡を使ってぜひ見てみてください。ちなみに新潟のJリーグチーム アルビレックス新潟は、アルビレオのオレンジと青、白鳥の白、この3色がチームカラーとなっています。

ネメシスに恋をしたゼウス、白鳥の姿を借りる

天の川の流れに沿って羽ばたく はくちょう座は、大神ゼウスの仮の姿と言われています。
女神ネメシスに恋をしたゼウス。しかしネメシスはいつも動物や武器など様々な姿に変身して逃げ、なかなか思いを遂げられずにいました。そこでゼウスはある作戦を実行します。愛と美の女神ウェヌスに「鷲に化けて、白鳥の姿をした私を襲う芝居をしてほしい」と頼むのです。鷲(=ウェヌス)に襲われた白鳥(=ゼウス)は、そばにいたガチョウの懐に逃げ込みました。実はそのガチョウはネメシスの変身した姿だったのです。
ネメシスは逃げ込んできた白鳥をいたわり、そうしてゼウスはネメシスと結ばれました。やがてネメシスは2つの卵を産み、その卵をスパルタ王テュンダレオースの妻レーダーの元に投げ入れます。そのうち1つの卵からふたご座のカストルとポルックスが、もう1つからは絶世の美女ヘレネーとクリュタイムネストラーが生まれました。

※神話には諸説あります。