<ふたご座流星群>
ふたご座のカストル(α星)付近が放射点になっている。流星の経路の長さは放射点に近いほど短く、遠いと長くて目にとまりやすくなる。(比較明合成)
撮影 : ©井川俊彦(2022.12.15)
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12月14日はふたご座流星群の極大日。
出現する数が圧倒的に多いこの流星群は、流れ星を見る大チャンス!
どうしたら流れ星を見られるか、コツをおさらいしながら、“流れ星の基本”をマスターしよう。
<ふたご座流星群>
ふたご座のカストル(α星)付近が放射点になっている。流星の経路の長さは放射点に近いほど短く、遠いと長くて目にとまりやすくなる。(比較明合成)
撮影 : ©井川俊彦(2022.12.15)

<ふたご座流星群の火球>
撮影 : ©井川俊彦(2020.12.14)

<ふたご座流星群の流星痕>
上画像の火球の後に現れた永続痕。撮影 : ©井川俊彦(2020.12.14)
今年のふたご座流星群の極大(※1)は12月14日17:00頃。だからオススメは
12月14日夜〜15日夜明け前(◎15日2:30頃まで)
12月13日夜〜14日夜明け前(◎14日1:30頃まで)
となります。街明かりが少なくて条件の良い場所では、1時間あたり60個ぐらい見られる予想です。とにかく流れ星をよりたくさん見るコツとしては、
ふたご座は、ほぼ一晩中夜空に見えているので長時間、観察できるチャンスがあります。深夜1:30頃には放射点が天頂付近に達し、頭上から四方八方に降り注ぐように見えます。また流星群の中では中速(やや遅め)なので、気づきやすいという特徴もあります。火球[かきゅう]と呼ばれる大きな流れ星も現れます。飛行機が通った後に見られる飛行機雲のように、火球の後に淡い煙のように輝く痕跡、流星痕[りゅうせいこん]が見られることもあります。流星痕には数秒以内に消えてしまう短痕と、数十秒〜数分、まれに数十分以上にわたって形を変化させながら残る永続痕があり、ふたご座流星群では永続痕がよく目撃されています。
※1...流れ星が最もたくさん出現すると予想されるとき。

<地球がこうやって彗星の軌道を通り抜けるときに流星群が現れる>
ふたご座流星群の元はちょっと珍しく、彗星ではなくファエトンと呼ばれる移動する小惑星。地球から見るとふたご座の方向にある。
流れ星は名前に「星」こそつくものの、星座を形作っている恒星とは全く違うもの。宇宙に漂っている直径1mm未満〜数cm程度の砂粒や小石、つまり塵[ちり]が地球の大気に入って、大気との衝突によって地上70〜130kmの高さで発光する現象が流れ星の正体です。
この塵が大きいと火球になります。またほとんどの流れ星は大気圏で発光しながら消滅しますが、消滅しきらずに地上に落ちてきたもの、それが隕石[いんせき]です。
ところで「ふたご座流星群」と呼ばれる、この「◯◯座」は流れ星が生まれる方向にある星座。そして流星群は毎年ほぼ同じ時期に出現します。
それはイラストのように、彗星が通った後(軌道)に残される塵がずっと宇宙に漂っていて、地球が公転するときにその軌道と交差するから。
地球は毎年同じ場所を通るので、また同じ彗星の塵とぶつかり、流星群が発生します。

<ペルセウス座流星群の火球>
ペルセウス座流星群の対地速度は59km/秒と速く、火球クラスの明るい流星は、経路の後半で爆発的に急増光することが多い。また、写り始めは高高度(高度100km以上)で励起された酸素原子の発光のため緑色に写る。撮影 : ©井川俊彦(2016.8.13)
★出現期間:12月28日〜1月12日頃
★極大日:1月3〜4日
★出現数:約30個(※2)
たくさん現れるピークが短く、年によって“当たり外れ”があります。流れ星の流れる速度は流星群の中では中速。流れ星は白〜青白い色。まれに火球も出現し、永続痕も残します。
★出現期間:7月17日〜8月24日頃
★極大日:8月13日頃
★出現数:約40個(※2)
流れ星も流星痕も緑色に見えることが多い。途中で爆発(急増光)を繰り返す火球もあります。流星痕が残ることが多く、短痕と永続痕、両方観察できることもあります。
★出現期間:12月4日〜12月20日頃
★極大日:12月14日頃
★出現数:約60個(※2)
流れ星は白っぽく、火球は青白〜緑色が多く、赤っぽい永続痕が見られることがあります。
※2...人工灯が少なくて暗く、条件の良い場所の場合。

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