
<金星と木星の接近>
左上が木星、右下が金星。離角は2°弱。
撮影 : ©井川俊彦(2023.2.28)
ビクセン | 天体望遠鏡、双眼鏡を取り扱う総合光学機器メーカー
この夏、早起きあるいは夜更かしした人にはご褒美が!?
惑星の中で1番明るい金星と2番目に明るい木星が仲良く並ぶかわいらしい様子が見られます。
数日間見続けて、だんだん近づいてやがて離れていく過程を観察すれば、夏休みの自由研究が完成! だぞ。
<金星と木星の接近>
左上が木星、右下が金星。離角は2°弱。
撮影 : ©井川俊彦(2023.2.28)
<A_2025年8月12日の惑星の位置>
地球から見ると矢印の方向に金星と木星が見える。このときの地球から金星までの距離は約1億8500万km、木星までは約8億9000万km。
8月、金星は明けの明星として未明〜夜明け前に見られます。また木星もイラスト(A)のように、地球から見るとちょうど金星と同じ方向にあります。
方角は東北東〜東で、高度は低め。
8月に入るとこの2つの惑星が日に日に近寄ってきて、8月12日の15:37に最も接近します。この瞬間は日中なので私たちには見えませんが、その前後の12日の未明〜夜明け前と13日の未明〜夜明け前、この2回が最も接近して見えるタイミングとなります。
※ この記事の時刻は全て東京を基準としています。
<B_7月25日、8月5日、8月12日の金星と木星の位置>
時刻はいずれも3:30(東京)。恒星は8月12日の状態です。
<観察に適した高度に2惑星が昇って来る時刻>
※ 時刻は東京を基準としています。
惑星の観察には天体望遠鏡があると良いですが、今回の惑星接近は双眼鏡でも十分に楽しめます。目安として倍率8倍以下の双眼鏡であれば、最接近の前後数日には双眼鏡をずらさなくても1つの視界に2つの惑星が入ります。
観察は8月4日〜21日ぐらいがオススメ。晴れたら毎日続けてみましょう。
観察に適した高度(10°以上)に2惑星が昇って来るのは、表「観察に適した高度に2惑星が昇って来る時刻」の通り。このくらいの時刻から空が明るくなるまでが観察タイム。
2惑星は肉眼でも見える明るさなので、天体望遠鏡や双眼鏡がなくてもOK。スマートフォンで撮影したり、スケッチを描くというのも、夏休みの自由研究には良いですね。
毎日、距離が変わっていく2つの惑星だけでなく、ペルセウス座流星群などの出現期間も重なるので、流れ星が見られるというボーナスも期待できます。また2025年8月21日には月齢27の細い月が金星の下に加わり、なんだかゴージャスな光景を目にすることもできます。
<C_内惑星>
水星と金星が内惑星です。
<D_外惑星>
火星と木星、土星、天王星、海王星が外惑星です。
<金星の満ち欠けの様子>
撮影 : ©熊森照明(2004.2.7〜6.4)
月と同じように、金星も満ち欠けをします。天体望遠鏡を使って何日も観察していると画像のように満ち欠けをするとともに、大きさもかなり変化するのがわかります。ところが木星は画像のような満月状態のままです。この違いはイラスト(C)と(D)のように、金星は地球の内側の軌道を回る内惑星で、木星は外側の外惑星だからです。
惑星は自分からは光を出さず、太陽の光に照らされて私たちに見えています。太陽光が当たっている部分は見えますが当たっていない部分は見えない...、それが満ち欠けなのです。
内惑星は地球から見ると、太陽光が当たっている部分と当たっていない部分があることがわかりますが、外惑星は常に全面に太陽が当たっている状態で見えます。ただし地球に近い火星だけは、少しだけ太陽光が当たっていない部分がわかることもあります。
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