ビクセン | 天体望遠鏡、双眼鏡を取り扱う総合光学機器メーカー
パイナップルを食べて口の中が変な感じになったり、ヤマイモの皮をむいて手がかゆくなったり...、
そんな刺激のある食べ物っていろいろありますよね。
今回は、その刺激の正体を顕微鏡で見てみます。
“なるほど納得!”の姿が現れますよ。
今回、観察したキウイフルーツ、パイナップル、ヤマイモの中に大量に含まれていた小さな小さな針。これはシュウ酸カルシウムという成分の結晶で、その名も「針状結晶」と言います。
人にちょっとした不快感を与えるように、これらの植物を食べようとする虫に害を与えることが目的では? と言われています。
植物には酵素も含まれていて、針状結晶と酵素のダブル攻撃で、虫にダメージを与えるようです。
針状結晶をたくさん見られそうな食べ物は、キウイフルーツやパイナップル、ヤマイモ、サトイモ、ブドウなど。これらをできるだけ薄くスライスし、スライドグラスに乗せて観察してみましょう。果汁を観察してみてもOKです。
薄くスライスして顕微鏡でのぞいたところ。果肉の中心近くに、ふさふさした塊がたくさんあります。
さらに拡大すると、細長いものが集まっている塊であることがわかります。これを指で押し潰してみたものがページ上、最初の画像。
こちらにもあやしげな塊がたくさん見つかりました。
果汁にも塊が見つかりました。塊をつぶすと針みたいな形の結晶が集まっていたことがよくわかります。
すりおろして水を加え、薄めてからプレパラートに乗せます。丸いでんぷんの中に、針状結晶がまざっています。
さらに水を加えると、針状結晶が見やすくなりました。キウイフルーツやパイナップルよりも、少し長めの針です。