Vixen の科学情報誌 So-TEN-Ken(ソウテンケン) WEB版

“自然”からこんなところをパクっ模倣していた!?
身近なバイオミメティクス

動物や植物のさまざまな器官には、びっくりするような賢い機能があって、人間が作り出す製品にも自然からヒントを得たものがたくさんあります。
それがバイオミメティクス。
今回は身近にあるバイオミメティクスと、パクっヒントになった方の生物を見比べてみました。

画像:スポンジ

<スポンジ>
食器洗い用スポンジの硬い方。研磨用の粒を接着させて、洗浄効果をUPさせています。(200倍)

ハスの葉 → ヨーグルトの蓋

画像:ハスの葉

ハスの葉っぱ

ハスの葉の上で水滴が転がる様子を見たことありますか?
これは葉の表面に大きさ数マイクロメートルの突起が無数にあって、細かなでこぼこがあるから。さらに葉全体にワックス成分が付着していて水をはじく性質を持っているからです。
これはロータス(ハス)効果と呼ばれていて、ヨーグルトの蓋や雨傘などに応用されています。

画像:ハスの葉

ハスの葉の表面には細かな粒々(突起)。(200倍)

画像:ヨーグルトの蓋

ヨーグルトがこびりつかない蓋にも細かい凹凸が。(200倍)

ゴボウの実 → 面ファスナー

画像:オオオナモミの実

オオオナモミの実

草地を歩いていると人間の衣服にいつの間にかくっついている“ひっつき虫”。その1つであるゴボウの実が、面ファスナー誕生のきっかけとなりました。
今回は同じく「ひっつき虫」と呼ばれる植物の中でも、比較的手に入りやすいオオオナモミを観察。

画像:オオオナモミ

オオオナモミのカギ(とげとげ)の部分はフック状に。(200倍)

画像:面ファスナー

面ファスナーも片面がフック状。(20倍)

海綿 → スポンジ

画像:海綿

海から取れた、天然の海綿(200倍)

海綿は海に生息する多細胞生物で、さまざまな種類がいます。中でも硬い骨を持たない種類が、古くから入浴時に体を洗う道具として使われてきました。
人工的に作られるスポンジは、海綿の構造をまねて、ポリウレタンやメラミン、ゴムなどに炭酸ガスを混ぜ、発泡させて作られています。

画像:メラミンスポンジ

メラミンスポンジ。繊維状の1本1本が固く、汚れをこそげ取る効果が。(200倍)

画像:ウレタンスポンジ

食器洗いに使われるウレタンスポンジ(200倍)

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画像:デジタル顕微鏡 ハンディ PRO

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