Vixen の科学情報誌 So-TEN-Ken(ソウテンケン) WEB版

双眼鏡で月に近づく

双眼鏡で月を見る...、これが思った以上に感動的なんです。
片目で見る天体望遠鏡と違い、両目で見ることによって生まれる立体感に加え、ちょっとしたポイントをおさえるだけで、3D感がさらにUP!
今夜からぜひ試してみて!!

画像:上弦の月

<上弦の月> 月齢7.4。撮影:©井川俊彦(2021.7.17)

画像:上弦の後

<上弦の後、少し太った月> 月齢10.5。撮影:©井川俊彦(2021.11.15)

満月を見る

画像:半影月食の満月

<半影食中の満月>
双眼鏡で見たときのイメージ(視野7°)。撮影:©井川俊彦(2020.11.30)

9月は中秋の名月、10月は部分月食。今年の秋の満月は双眼鏡でも見てほしい。特に月食は、肉眼ではわかりにくい半影食を双眼鏡を使うことで感じとれるかもしれません。満月は太陽の光が真正面から月に当たっているので、月面の凹凸を感じにくいのですが、光条(レイ)は逆によく見えます。クレーターのティコから伸びるレイの神秘的な輝きをぜひ目にしてください。また満月では月面全体を見渡せるので、面積の広い海も見やすくなります。
双眼鏡は手ブレがなくなると格段によく見えます。三脚に装着できるものは三脚を使って、あるいは双眼鏡を持つ腕をベランダの手すりなどに乗せて、手の振動を抑えてみてください。

満ち欠けの欠け際を見る

満月と新月を除くと、月は太陽光の当たっている部分と当たっていない部分との境がありますが、この境界線上(満ち欠けの欠け際)にあるクレーターや山脈などがおもしろい! この部分には太陽光が斜めから当たっているので影ができ、その陰影が3D感を増してくれるのです。
上の写真では上弦と月齢10〜11によく見える地形を紹介していますが、欠け際は毎日少しずつ変わるので、毎日観察してもきっと飽きないでしょう。こうやって地球を宇宙から観察したら、昼間と夜の境目がこんな風に見えるなんていう想像も楽しいですね。

流星痕を探してみよう!

画像:半影月食の満月

<地球照を抱いた三日月>
双眼鏡のイメージ(視野7°)。撮影:©井川俊彦(2015.5.21))

月齢3や27前後の細い月をよく見ると、右の写真のように欠けている側もうっすらと月面の模様が見えます。これは地球照と言って、太陽光が地球に当たり、その反射光が月面を照らしている状態。双眼鏡で見ながら「太陽があっちにあって、太陽光が直接当たっているのがあの部分。地球に当たった反射光が…」といった感じで、太陽と地球と月の位置関係を想像すると、より深く宇宙の神秘の沼にはまります。新月の2日前は夜空が暗く、地球照がきれいに見えるので特にオススメ。9月13日、10月13日、11月11日の夜明け前、東の空です。

おすすめ

画像:アトレックライトII_BR8×30WP

アトレックライトⅡ BR8×30WP

● 倍率:8倍
● 対物レンズ有効径:30mm
● サイズ:11.5×16.0×5.4mm
● 重さ:500g
・重さ500gと軽く、ボディが大き過ぎない
・倍率は6倍と8倍の2機種
・眼幅が最小49mmまで縮められるので、お子さんでも使いこなせる
・レンズコーティングはハイレベル、汚れを落としやすい撥油コートも採用
・ビノホルダーH/MH(別売)を使用して三脚に取り付けることが可能

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