Vixen の科学情報誌 So-TEN-Ken(ソウテンケン) WEB版

はじめての天体撮影 19時間め
スマホと天体望遠鏡で月食を撮ろう

今回の月食の特徴は、明け方、徐々に白んでいく空に沈む月で起こるということ。
印象的な情景をスマホで画像に収めてみましょう!

画像:部分月食

<スマホで撮った部分月食>
天体望遠鏡にスマートフォンを取り付けて撮影。このカットは皆既月食になる前の部分月食。撮影:©青柳敏史(2022.11.8)

用意するもの

◆ 天体望遠鏡
◆ スマートフォン
◆ スマートフォン用カメラアダプター
◇ シャッターリモコン(スマホ用)

◇印のものは、なくてもOK。

最大の難所、スマホを天体望遠鏡に固定する

“スマートフォン+天体望遠鏡”の撮影で一番大変なのは、天体望遠鏡のレンズとスマホのレンズの中心をきっちり合わせること。そこでオススメなのは、専用のアダプターで楽に合わせて、固定しちゃう方法。レンズが2つ以上あるスマホの場合は事前に、標準撮影でどのレンズを使っているのか、カメラを起動して画面を見ながらレンズを1つずつ塞いで確認しておきます。それから
 ① 天体望遠鏡のピントを月に合わせる
 ② スマホをアダプターに取り付ける
 ③ ② を天体望遠鏡の接眼レンズにまっすぐ取り付ける
 ④ カメラを起動した状態でスマホの画面を見て
、真っ黒だったら思い切りズレているので② からやり直す。一部が黒い程度なら、天体望遠鏡にスマホをつけたままで微調整すればOK
 ⑤ スマホが接眼レンズに対して傾いていないかをもう一度確認

必ず、前日までに撮影練習を

最初の練習は昼間に行うのがオススメ(※2)。シャッターを切る瞬間に、スマホに触れるとブレの原因になるので、リモコンなどを使用します。セルフタイマーを使うのもアリ。写した画像がぼんやりしている場合は、レンズが汚れているかも。柔らかい布やティッシュペーパーで優しく拭きましょう。
次は夜に普通の月で練習を。ピントはカメラを取り付ける前の天体望遠鏡で一度、月に合わせておき、取り付けてから今度はスマホの画面を見ながら天体望遠鏡のピントがずれていないか確認。最後にスマホのピントを調整します。月が明るすぎると感じたら、露出も手動調整してみてください。自動追尾機能のない天体望遠鏡の場合は、最初に月が画面の隅に入るように向きを合わせ、月が画面中央まできたところでシャッターを切ります。

※2...!! 日中、天体望遠鏡を使う場合は決して太陽に向けないように注意してください。目に重大な怪我を負ったり、カメラが故障する危険があります。

そして本番...

肉眼ではわかりづらい半影食も、画像ならばふだんの月との違いがわかりやすくなるので、半影食から撮影を始めるのもオススメです。10分おきぐらいにシャッターを切り続けて、連続写真にするのもイイですね。
月が欠けるに従って夜が明けていきますが、露出は月を見ながら調整していきます。月の模様が見えるくらいが目安です。もし何時間も前からセッティングしておく場合は、夜露に濡れないよう、大きなビニール袋などで天体望遠鏡ごと覆っておくことをお忘れなく。

おすすめ

スマートフォン用カメラアダプター

カメラ機能付きのスマートフォンを、天体望遠鏡など光学機器に固定して撮影するためのパーツ。 適合条件を満たしていればスマートフォン以外の端末でも撮影できます。

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