Vixen の科学情報誌 So-TEN-Ken(ソウテンケン) WEB版

一夜かぎりのオシロイバナ
かわいいカールにはワケがある!?

その美しさで人々に癒しを与えてくれる花々。でもただきれいなだけじゃない!
小さな構造には命をつなぐとっても“かしこい”しくみがあります。
今回は身近なオシロイバナをサンプルに、昆虫の気分になって観察をしてみましょう。

画像:オシロイバナの雄しべと雌しべ

<オシロイバナの雄しべと雌しべ>

オシロイバナの1日。

画像

オシロイバナの1日は夕方から始まります。一見、花びらに見えるのはがくと呼ばれる器官。それが開いてくると、中にはまだ眠そうにカールした雌しべと雄しべが見えます。雄しべはまだ花粉を出していません。
やがて雌しべと雄しべがまっすぐに伸びてくると、雄しべの先には黄色いつぶつぶが。雄しべの先にある葯[やく]と呼ばれる部分から出てきた花粉です。オシロイバナは蛾[が]のように、主に夜間に活動する昆虫によって花粉が運ばれます。
夜中、雄しべから雌しべへと花粉が運ばれる(受粉)のを待ち、翌日の午前中には花がしぼんでしまうのですが、このときにおもしろいことが起きます。雌しべと雄しべがまたくるくるカールして、雄しべに残っている花粉を雌しべにくっつけてしまうのです。こうやって、もし昆虫がやってこなくても1つの花の中で受粉(自家受粉)して、子孫が残るようにするのです。

さあ、顕微鏡で見てみよう

画像:開花直後

<開花直後>(20倍)

雌しべと雄しべはクルクルと巻いた状態で花が開いてきます。

画像:雄しべの葯

<雄しべの葯>(200倍)

花が開いた直後はまだ雄しべの葯[やく]から花粉は出ていません。

画像:雌しべの柱頭

<雌しべの柱頭>(200倍)

開花直後。つぶつぶして見えますが、これは花粉ではありません。

画像:雄しべの葯
(20倍)

<雄しべの葯>
(20倍)

開花からしばらくするとピンと伸びてきて、花粉を出し始めました。黄色い粒が花粉。

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画像:デジタル顕微鏡 ハンディ PRO

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