単眼鏡で広がる浮世絵鑑賞の世界

単眼鏡で広がる浮世絵鑑賞の世界

浮世絵

モネやゴッホといった世界の巨匠たちに大きな影響を与えた浮世絵。
今でこそ、状態の良いものであれば何千万円という高値で取引されていますが(ちなみに、現在の史上最高値は喜多川歌麿の浮世絵で、8,800万円で落札されました)、全盛期だった江戸の当時、浮世絵は一枚32文、今の値段に換算すると約500円、天ぷらそば1杯と同じくらいの価格で販売されていたようです。


浮世絵

美術品という扱いではなく、あくまで出版物。庶民の娯楽として発売されたものだったのです。花魁や歌舞伎役者を描いた浮世絵は、今でいうブロマイドのようなもの。歌川広重の代表作《東海道五十三次》は、今でいう旅行ガイドブックのようなものでした。
当然、そんな浮世絵を当時の人は、ガラスケースに入れて鑑賞したわけはなく(ガラスケースが存在しなかったということは置いておきまして)、手に取って眺めて楽しみました。 出版する側も商売ゆえ、一人でも多くの人に手に取ってもらえるよう、工夫をこらしたわけです。その工夫の数々を、単眼鏡で覗いてみましょう。


雲母摺と空摺

雲母摺と空摺

例えば、「雲母摺」(きらずり)という技法があります。
これは、喜多川歌麿や東洲斎写楽の浮世絵でお馴染みの技法で、雲母の粉もしくは貝殻の粉を用いて背景を一色で塗りつぶすものです。文字通り、キラキラしているのが特徴です。ビックリマンシールなどのキラキラシールを想像して頂くとわかりやい気がしますが、手に取って動かしてみて初めて、そのキラキラ感を楽しむことができます。動かさないと単なる灰色一色にしか感じられません。


雲母摺と空摺

また、「空摺」(からずり)という技法も。 こちらは刷りの圧力だけで、紙面に凹凸模様を作り出すという技法。動物の毛並や着物の文様などを凹線で立体的に表現するのに使われます。今でいう、エンボス加工のようなものですね。 こちらもやはり手に取って動かしてみることで、陰影が生まれ、「空摺」ならではの表現を楽しむことができるのです。


雲母摺と空摺

それゆえ、美術館で展示されている浮世絵をパッと見ただけでは、「雲母摺」や「空摺」が使われていることに気が付きません。さっと素通りしてしまいがち。どうしても見逃したくないなら、浮世絵が動かない分、自分が動くしかないのです。(美術館でエグザイルのような動きをしている人を見かけたら、ほぼ間違いなく浮世絵研究者か浮世絵ファンです)しかし、細部にクローズアップできる単眼鏡を通して浮世絵を見れば、妙な動きをせずとも、「雲母摺」や「空摺」が使われている部分がすぐに見つけられますよ。


彫りの技

彫りの技

さてさて、浮世絵とは言うものの、厳密には絵ではありません。当然のことながら、版で刷られたものです。絵として観賞すると、見過ごしてしまいがちな超絶技巧が、実は浮世絵の随所に施されています。絵師ばかりフィーチャーされていますが、彫り師の職人技にも目を向けてみましょう。
例えば、喜多川歌麿の美人画をご覧ください。特に髪の生え際にご注目。もちろん細いペンで描いているわけではありません!1㎜以下の精度で髪の毛が版木に彫られているのです。また、歌川国貞の《星の霜当世風俗 蚊やき》をご覧ください。蚊帳の網目がビッシリと彫り込まれています。考えただけで気が遠くなりますね。 江戸の人々はこれらの浮世絵を手に取って、超絶技巧を凝視しては驚いていたに違いありません。


ビクセンの単眼鏡

浮世絵の細かな表現を見るには、4倍の単眼鏡のほうがベターです。

  • アートスコープ H4×12

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    実視界11.5度。適度に広い範囲を同時に見渡すことができる倍率であるため、多少の手ブレが起きても観察対象が視野から外れにくく、初心者でも楽に観察できます。
    また適度に拡大されるため、肉眼では観察できない美術品の細部までを鑑賞できます。日本製

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    メガネをかけたままでも使いやすいハイアイポイント設計です。しかも約20cmの近距離から焦点が合わせられ、かつ9.0の明るさを実現!日本製

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