みなさまからご応募いただいた441点の作品の中から入賞作品を選出いたしました。
厳正な審査会を経て、グランプリと各賞が決定いたしました。

ビクセン主催
第6回「星空フォトコンテスト 2025 〜それぞれの宙を見上げて〜」

審査員の紹介

大西浩次氏

大西浩次

博士(理学)。日本星景写真協会理事、国際天文学連合(IAU)会員、日本天文学会、日本天文教育普及研究会ほか。第4回田淵行男賞入賞。研究分野は重力レンズと系外惑星探査。地球と宇宙と人のつながりをテーマに星景写真を撮影。毎日小学生新聞「ガリレオ博士の天体観測図鑑」隔週土曜連載中。

北山輝泰氏

北山輝泰

プロカメラマン。日本大学芸術学部写真学科卒業。天体望遠鏡メーカーで営業として勤務後、星景写真家として独立。天文雑誌のライターをしながら、全国で写真講師の仕事を行う。星景写真を始めとした夜の被写体の撮影について、座学・実習を通し学べる「ナイトフォトツアーズ」を運営中。

大西浩次氏による総評

第6回「それぞれの宙(そら)を見上げて」に、多くのご応募をいただき、誠にありがとうございました。今回も審査員一同、長い時間をかけてすべての作品を拝見しました。写真そのものだけでなく、応募時に添えられた「それぞれの想い(作品コメント)」にも目を通し、作者がどのような気持ちで宙を見上げ、その瞬間を切り取ったのかを想像しながら選考を行っています。

本コンテストが大切にしているのは、「うまく撮れているか」だけではありません。宙を見上げたときに何を感じ、なぜシャッターを切ったのか。その想いが、画面の中から自然に伝わってくるかどうかを、私たちは何よりも重視しています。撮影技術はもちろん重要ですが、それはあくまで想いを形にするための手段であり、目的そのものではありません。

第6回は応募数こそやや減少しましたが、星景部門を中心に作品のレベルは非常に高く、受賞に至らなかった作品の中にも、強い魅力を持つものが数多く見られました。特に、同じ場所や同じ被写体を扱った作品同士では、構図や露出といった技術差以上に、「何を伝えたいのか」という視点の違いが評価を分ける結果となりました。今回のグランプリ作品は、大地と宇宙の鼓動、そして時間の流れを感じさせる、表現力豊かな一作です。カメラやセンサーの進化により、これまで静止画では捉えにくかった動きや変化を、星景写真として表現できる時代になりました。私たちは、そうした技術の進歩そのものよりも、それを通してどのような「宙との向き合い方」が生まれてくるのかに、大きな期待を寄せています。

また、個別講評でも触れていますが、背景となる星空と手前の風景との関係性を丁寧に捉え、「想い」を的確に表現した作品が多く選ばれました。アンダー18部門の橋本旭玄さんの作品からは、若い世代ならではの柔軟で自由な感性が感じられ、審査員一同、強い印象を受けました。前回のグランプリ作品に続き、次の時代を担う表現の芽を感じています。なお、今年は動画部門からの受賞はありませんでしたが、動画は時間や空気感を伝えるうえで、大きな可能性を秘めた表現手段です。次回以降、星空と向き合う新たな試みに挑戦した作品が生まれてくることを期待しています。さらに、スマートフォンカメラによる作品も選出されました。特別な機材の有無にかかわらず、「宙を見上げる」という体験そのものが表現につながっている点は、本コンテストのあり方を象徴しているように感じられます。

このコンテストが、作品を競い合う場であると同時に、それぞれが宙と向き合った時間や想いを共有する場であり続けることを、私たちは願っています。これからも多くの方が宙を見上げ、その瞬間に感じた何かを、自由な形で表現してくださることを、審査員一同、心より期待しています。

北山輝泰氏による総評

ビクセン主催の星空フォトコンテスト「それぞれの宙を見上げて」は、今回で第6回目を迎えました。今回も審査を担当させていただきましたが、回を重ねるごとに応募作品の表現の幅や完成度が高まり、皆様の創意工夫にあらためて感銘を受けています。

異常気象が続く昨今、撮影の計画を立てても天候に恵まれず、思うようにシャッターを切れない状況も少なくありません。そのような厳しい条件の中で生み出されたひとつひとつの貴重な作品をご応募いただいたことに、心より感謝申し上げます。

今回の審査においても、私たちが大切にした視点はこれまでと変わらず、「それぞれの宙を見上げて」というテーマそのものです。星空の下で作者が何を感じ、何を想いながら写真や動画を撮影したのか。その背景や物語が作品を通して伝わってくるかどうか。そしてその想いが確かな技術に裏打ちされ、表現として成立しているかという点を重視して審査を行いました。

「それぞれの宙を見上げて」というテーマは、一見すると抽象的ですが、その解釈の自由度こそが本コンテストの魅力であり、同時に難しさでもあります。同じ夜空を見上げていても、機材を構える場所や視線の向け方、さらには作者自身の心のあり方によって、見えてくる宙は決して同じではありません。だからこそ、そこに写し出される表現には自然と個性が宿り、ほかの誰とも重ならない、その人だけの作品が生まれるのだと感じています。

今回の応募作品からは、日常の中でふと立ち止まって見上げた宙、特別な旅先で出会った宙、そして長年通い続けた場所でしか捉えられない宙など、まさに「それぞれ」の視点が感じられました。その多様性が、このコンテストを回を重ねるごとに豊かなものにしていると感じています。

星空の撮影は、決して思い通りにいくものではなく、試行錯誤や失敗の積み重ねの中で、ようやく一枚の作品にたどり着く世界です。だからこそ、その一枚には、撮影者自身の経験や感情が自然と刻み込まれます。今回ご応募いただいたすべての作品には、それぞれにかけがえのない価値があり、審査員として非常に悩ましく、同時に幸せな時間を過ごさせていただきました。ぜひこれからも、ご自身だけの宙を見上げ続け、その想いを作品として表現し、本コンテストに挑戦していただければ幸いです。

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