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2010 春 入賞作品

ビクセンギャラリー2008より、作品の選考、評価を、天体写真家、天文アドバイザーとして活躍している大野裕明さんが行っています。

金賞「荒野に立つクロツラヘラサギ」 武内正一 さん
銀賞「オリオン大星雲」 間島尚志 さん
銅賞「手賀沼のかわせみ」 矢島真次 さん
銅賞「馬頭星雲」 沼尻裕 さん

写真:金賞「荒野に立つクロツラヘラサギ」

金賞
荒野に立つクロツラヘラサギ
武内 正一 さん(福岡県)

評価をする際は撮影機材や撮影方法などいろいろと考慮にいれるのですが、この作品を見た時は、即、その画が気に入ってしまいました。 特段に対象となる鳥の姿恰好がいいというよりも、立ちすくんで気がかりなカメラマンに対して視線をおくる、その赤っぽい目がひょうきんそのものでおもしろい。 アンバランスな口ばしからも可愛さがにじみ出てくる、楽しい作品です。

以下、作者コメントより

やっと夫婦の休みが合った土曜日、福岡市の西部にある今津干潟に行ってみました。 あまり水鳥もいない荒野は、何の工事があっているのか、ダンプが走り回り、騒音だらけ、こんな事してたら、鳥たちは住めなくなるかも…と、思っていたら、 彼らがふわりと近場に降り立ちました。2羽で、彼らも夫婦でしょうか。私たちに何か言いたいのか、こちらをじっと見ています。 お互いしばらくの間、無言の挨拶を交わしました。

DATA
  • 撮影地 : 福岡市西区今津
  • 撮影日時 : 2010.02.06 14:09:11
  • 露出時間 : 1⁄1000
  • 使用しているビクセン製品 : ジオマUED67-S、GLH30D、DG-FSDX、DGリングDX、ケーブルレリーズブラケット、ニューアペックスHR8×24
  • 使用カメラ : Canon PowerShot A590IS

写真:銀賞「オリオン大星雲」

銀賞
オリオン大星雲
間島 尚志 さん(島根県)

色分解による撮影は、微妙な色合いの星雲を局部的に強調できるので、対象が明暗の激しい場合にはとても有効な手法です。 特にトラペジュウム周辺は局部的に何段階分も明るいために露出オーバーになっている作品を多く見かけますが、この作品では注意を払ってうまくバランスをとっています。 技量の集大成ですね。このような技法は、他の明暗の差が大きい星雲にも活用できそうです。

以下、作者コメントより

M42オリオン大星雲は、肉眼でも確認できるほど明るくて大きな星雲で、冬時期のアマチュア天文ファンには欠かせない天体の一つです。 望遠鏡や双眼鏡越しに観望すると、中心部のトラペジウム、羽を広げたように広がっていく星雲が、ほどよく楽しめます。 ところが、写真となると中央・周辺部の輝度差が大きいため、通常はどちらかに的を絞らないといけません。そこで今回は欲張って、露出時間を変えた写真3種類を合成してみました。 構図は、オリオン大星雲の北側にあるNGC1977も入るようにしています。VC200Lの直焦点1800ミリ、迫力ある写真になったと思います。

DATA
  • 撮影地 : 自宅(島根県出雲市)
  • 撮影日時 : 2010.01.19 21:00〜
  • 露出時間 : 総露出時間93分(L:10分×4、3分×2、1分×2、RGB各5分×2、2分×2、30秒×2)
  • 使用しているビクセン製品 : VC200L鏡筒
  • 使用カメラ : Artemis 11002(-25度)
  • 使用フィルタ : IDAS Type4
  • 使用架台 : EM400temmaII
  • 追尾方法 : D68mm、f600mmガイド鏡、ミードDSI+PHD-Guiding
  • その他 : ステライメージ他にて画像処理

写真:銅賞「ISS国際宇宙ステーションの飛翔の変化」

銅賞
手賀沼のかわせみ
矢島 真次 さん(千葉県)

矢島さんは毎日かわせみを撮影しているそうですが、このような綺麗な鳥が身近にいるということはうらやましい限りです。 私もかわせみとは着物の染色をしていた時代に、間近で会話?したことがあります。 着物を染めた後、小川で余分なのりや染料を洗い流すためざぶざぶと反物をゆすいでいると、2mも離れていない小枝にかわせみがとまってこちらをうかがっていました。 真正面から光が当たり、ちょうどこの作品のように胸が美しく黄金に光り輝いた様子が、今もしっかりと印象に残っています。着物にこの色を出せないものかと、だいぶ悩んだ時期もありました。

以下、作者コメントより

ほぼ毎日カワセミを撮っています。

DATA
  • 撮影地 : 千葉県柏市
  • 撮影日時 : 2010.01.10 08:16
  • 露出時間 : 1⁄148
  • 使用しているビクセン製品 : GEOMAUED82-A+GLH30
  • 使用カメラ : Nikon COOLPIX P6000
  • 使用接眼レンズ : GLH30
  • 使用架台 : Velbon LegPochette

写真:銅賞「晩秋の頃」

銅賞
馬頭星雲
沼尻 裕 さん(東京都)

作者のコメントにもありますが、周辺のコマ収差が多少出てもゴーストが発生しなかった事が良かったですね。 確かに三つ星は、その輝きが要因となってゴーストが出やすい撮影対象のひとつです。 また、斜鏡金具による反射望遠鏡特有の十字線が現れて、目的とする馬頭星雲を矢で射るような写真の出来上がりになってしまうこともあります。 長年の経験から、望遠鏡の性能をうまく活かしたよい作品に仕上がっています。

以下、作者コメントより

かれこれ25年程使っているSP赤道儀をオートガイダー化し、R135S鏡筒を載せたところ、軽快な撮影機材になりました。
馬頭星雲は、三ツ星のうちの1つ、2等星アルニタクが画角に入るため、ゴーストが出やすい場所ですが、補正レンズの類を使用せずに撮ったところ、周辺にコマ収差が出た代わりに、 目立つゴーストは出ませんでした。 撮影地は関東の中ですので、東京方面の光害がありましたが、LPS-P2フィルターを使うことで、光害の影響はほとんどカットでき、カラフルに仕上がりました。

DATA
  • 撮影地 : 埼玉県秩父郡小鹿野町
  • 撮影日時 : 2010.01.10 22:10〜
  • 露出時間 : 10分×4枚コンポジット合成
  • 使用しているビクセン製品 : R135S鏡筒、スーパーポラリス赤道儀
  • 使用光学機器 : ビクセンR135S鏡筒 D135mm、f720mm、F5.3
  • 使用カメラ : Nikon D50(赤外カットフィルター交換改造)、ISO1600
  • 使用架台 : ビクセン スーパーポラリス赤道儀
  • 追尾方法 : 自作ガイド鏡 + Webカメラ + iAG 0.4.0による自動ガイド
  • その他 : IDAS LPS-P2フィルタ使用